牛肉には様々な部位がありますが、料理によって最適な部位が違うのはご存知ですか?今回は各部位の特徴とおすすめ料理を紹介します。
ページの大まかな内容
牛肉の部位
牛肉は「食肉小売品質基準」によって、11種類の部位に分けられていますが、細かく分けると25種類程度になると言われています。いろんな分類方法がありますが、料理に使う場合「赤身が多い部位」と「脂身が多い部位」に分類することができます。今回は「赤身がメインの部位」と「サシの多い部位」にわけて紹介します。
赤身が多い部位
赤身の特徴はほどよい歯ごたえと旨味たっぷりな味わい、肉本来のおいしさを楽しみたい時におすすめです。代表的な部位としては以下のとおりです。
- 肩
- ロース
- フィレ
- もも
肩
肉質はやや固めだが、濃厚な旨味があります。じっくりと煮込むとやわらかくなります。
おすすめ料理:スープやシチュー、カレーなどの煮込み料理
ロース
ほどよく霜降になっており、きめ細かい肉質の赤身肉です。牛肉らしい濃厚な旨味があり、煮ても焼いてもおいしいのが特徴です。
おすすめ料理:すき焼き、しゃぶしゃぶ、肉じゃが、ステーキ、焼肉、シチュー等
フィレ
牛フィレ肉はあらゆる部位の中で、ほとんど運動しない部位で、牛肉の中で一番やわらかく、筋や脂肪が少なくて上品な味わいです。
おすすめ料理:ステーキ、ワイン煮込み、ローストビーフ等
モモ
牛のモモ肉は、内モモと外モモに分けられます。内モモは、脂肪が少なくあっさりとした味わいで、きめ細やかさはやや粗めですがやわらかいのが特徴です。そのため、肉の厚みを生かした料理に適しています。
対して、外モモは一番運動する筋肉が集まっているため、内ももより脂肪は少なく肉質が固めです。そのため、薄切りにスライスして使うことが多い部位です。
おすすめ料理:[内モモ] ローストビーフ、ステーキ等 [外モモ] 焼肉や炒め物等
サシの多い部位
サシとは牛肉の赤身と赤身の間に入った脂肪のことです。ステーキの脂身のような「かたまった脂肪部分」はサシとは呼ばずに、赤身肉に模様のように入ったものをサシと呼びます。代表的な部位としては以下のとおりです。
- サーロイン
- リブロース
- 肩ロース
- バラ
- ミスジ
サーロイン
適度にサシが入り込み、ジューシーで柔らかい部位です。脂の甘みが感じられ、お肉のうまみも感じられます。
おすすめ料理:ステーキ、しゃぶしゃぶ、すき焼き、ローストビーフ等
リブロース
きめが細かく、柔らかく、上品な甘い風味があります。ロースの中でも最も厚みがあり、霜降りになりやすいです。
おすすめ料理:ローストビーフ、すき焼き、ステーキ、すき焼き、しゃぶしゃぶ等
肩ロース
牛肉の中で、比較的運動の多い部位で、ほどよい食感と濃厚な味が特徴です。
おすすめ料理:すき焼きやしゃぶしゃぶ等
バラ
繊維質や筋膜が多く、かつ厚めで肉のきめも粗い方で、呼吸や横隔膜の運動などで常に動いている部位のため、肉質は堅いです。サシの入りやすい部位で、濃厚な風味のあるのが特徴です。
おすすめ料理:焼肉、シチュー、すき焼き、焼肉、牛丼等
希少部位
牛は一頭当たり400〜600kgほどの体重がありますが、希少部位はそのうちの3kg以下しか取れません。希少部位には肉質がよく柔らかいものも多いのが特徴です。代表的な部位としては以下のとおりです。
- ランプ
- シャトーブリアン
- タン
- ハラミ
ランプ
もも肉の一種で一番やわらかい希少部位。味に深みがあって風味がよく、きめ細かくほぐれるような食感を楽しむことができます。
おすすめ料理:ステーキ、ローストビーフ、たたき等
シャトーブリアン
ヒレ肉の一部で、牛肉の中で最高級部位とされます。赤身ですが非常に柔らかく、簡単に噛み切る事が可能です。
おすすめ料理:ステーキ、鉄板焼き等
タン
牛の舌の部分で、タン先、タン中、タン元の3つがあり、この中で一番柔らかいのはタン元です。タン中は一般的にスーパーなどでも購入することが可能です。タン先は他の2つに比べて運動量が多く固めで、独特の臭みがあります。
おすすめ料理:焼肉、シチュー等
ハラミ
牛の横隔膜で、ホルモンに分類されます。脂身が少なくあっさりとしていますが、柔らかいのが特徴です。
おすすめ料理:焼き肉、ステーキ、炒め物
まとめ
紹介した部位以外にもイチボ、サガリ、三角バラ、ザブトンなど様々ありますが、今回は比較的店で手に入りやすい部位や、焼肉屋でよく見る部位を紹介しました。牛肉には部位ごとに適した料理がありますので、作りたい料理に合わせて部位を選んだり、また部位によって作る料理を考えてみてはいかがでしょうか。